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西区井口台「Y邸」新築に伴う造園工事

閑静な住宅地に建つ黒塗りの杉板の外観がモダンな印象のY邸。門をくぐり玄関へと進むアプローチは、あたかも水に浮かぶ回廊のように仕上げました。流れは循環ポンプにより澄んだ水を維持しており、張り出したモミジが水面にその姿を映します。
寝室方向については、視線を隠すために築山を盛り、濃い目の植栽を施しております。この築山については幅を十分に確保できない中で高さを稼ぐために、裏面は石積みとなっており、寝室からは石積みを利用した景色を楽しめるようになっています。
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夜にこのお宅を訪れるお客様は格別でしょう。まず車を降りれば、広島湾岸の夜景を一望するロケーション。町の明かりとは対照的な空間への入り口を抜けると、そこは別世界、山奥の清流の脇に建つ隠れ家へやってきたようでしょう。
住宅2階部分は3方向にベランダが張り出している構造になっているため、そのどの方向からでも庭を楽しめるように気を使っています。また通常、高い位置にある樹木の梢先を見る機会が少ない現代社会で、手で触れれるほどの位置に梢先があることは、まだ小さなお子様の情操教育にも活かせることでしょう。

第14回ひろしま街づくりデザイン賞にて「奨励賞(設計・施工)」を受賞
右下が玄関門。玄関門をくぐって左にL字にアプローチが続きます。右下玄関門から住居玄関口までの視界は、空間を広々と見せるように、そして寝室前は視線を遮るよう設計しました。
流れはアプローチを潜っており、アプローチを水面上の回廊のように見せています。
茶室前の閉ざされた空間は、露地・茶庭のようにとはいきませんでしたが、和風の坪庭風に仕上げています。
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ガレージと和室との間のスペースは、施主のリクエストにより、茶庭のエッセンスを取り入れた坪庭に仕上げました。日照と降雨がほとんど期待できないため、植栽は最小限に抑えました。
石・砂利の白色と、壁・手水鉢の黒色が、シックでモダンなイメージを醸し出し、そこに四方竹の緑が控えめな華やかさを与えています。
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施工前 施工後
施工前の全体写真です。黒と白で構成されたモダンなイメージを持つ建築物です。この整ったデザインをいかに引き立たせるかが、造園設計を行う上でのテーマであり、課題でした。 道行く人も楽しめるよう、開かれたお庭と致しました。とはいえ寝室方向への視線は遮り、プライバシーを確保しました。
比較的厚みのない空間だったため、地形に変化を持たせることで、実際以上の重層感を演出しています。
施工前 施工後
この段階から計画・設計を始めました。すでに重厚なアプローチが完成しており、簡単に移動や取り壊しができないため、このアプローチをいかに活かすかが設計上の大きな課題となりました。 悩みに悩んで、水辺にかかる八ツ橋のように扱おうと考えつきました。左側の柱に囲まれた部分も園路となるので、安全に歩きたいときは左側を通っていただき、右側の道は景色を楽しむためのものと目的を設定しました。
普通に歩けば、樹木が身体に触れて歩き難いぐらいを目指して、徹底的に景色重視にデザインしています。
施工前 施工後
右奥が寝室となります。道路からの視線を遮るものがないので、カーテンも開けられません。
通常庭には、居住空間としての機能も求められることが多いのですが、こちらのお宅は2階部分に広いバルコニーがあるため、屋外居住空間としてはそちらを利用して頂くことで、庭の全てを景観形成に特化することができました。
築山を設け、植栽で視線をカットしました。しかし植栽が寝室の前まで迫っては不便になりますので、寝室前には狭くはありますが、小庭を準備しています。
また面積を稼ぐために、寝室側は石積みを施し、表側とは少し異なるイメージになっています。
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まずは重機を使って、地ごしらえを行ないます。同時に植物の生育に適した土壌にするため、土壌改良材を混入します。
重機を使用する場合には、配管などを壊さないよう慎重に作業を進めます。
池・流れの底に当たる部分の基面整正を行ないます。掘り過ぎてしまうと土壌が軟らかくなり、不等沈下などを引き起こし、コンクリートのクラックが発生して漏水の原因となるため、人力で慎重に掘り進めます。
底の部分にコンクリートを打設しています。この作業で流れイメージが決まってしまいますので、水の流れるスピードや水深を考えながら、作業を行ないます。 コンクリートのうえにクッション材を敷き、ゴム製の防水シートを張っています。昔はコンクリートのみで防水を行なっておりましたが、ひび割れなどで漏水が発生していました。
防水シートの上にはモルタルを張ります。これは防水シートの保護のためです。
水を張り漏水の有無を確かめます。漏水がなければ景観材としての石材を並べていきます。 石材を並べ終わった状況です。土壌が流れ込んだり、石材に付着していた汚れにより水が濁っています。
濁っている水が澄んだ状態になるまで、何度も水を入れ替えます。また高圧洗浄機などで、汚れの付着を落とすことも行ないます。
夏は清流のせせらぎと、活き活きとした緑が涼しさを演出します。
黒い壁のモダンな住居を活かすよう、植栽は詰め過ぎず、木々の間に空間を持たせることで、バックの黒い壁に木立が映え、また、暑苦しくない颯爽とした印象を与えます。
冬は冬の趣があります。色づいた葉は水面に落ち、木々の枝ぶりが顕わになった姿は、夏とは違った印象を与えてくれます。日照時間の少ない冬でも十分に光が取り込めるよう、ここでも木々の間の空間が活かされます。
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日没後に訪問されるお客様は、園内灯の明かりに揺れる水面に囲まれ、樹木の囁きを耳に感じながらアプローチを進むことになります。
それはきっと、別世界に誘うような雰囲気を醸し出し、ご訪問の期待を高めることでしょう。
建築物に囲まれた豊かな緑は、高級住宅地の中でも特別な存在です。
ご家族の皆様の成長とともに、お庭も豊かに成長していくことでしょう。
工事が完了して2年が経過しました。植木が育ち緑のボリュームが増え、立派なお庭に成長しました。
「Y邸」は、団地の外周道路沿いにあるため、近所の方のお散歩コースになっており、道行く人々が立ち止まり、お庭の景色を楽しんでいます。
これからも手を掛ければ掛けるほど、ますます素敵な造園空間になっていくことでしょう。
Price (万円)
〜100
100〜150
150〜200
200〜300
300〜400
400〜500
500〜
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